猪苗代湖の厄介物一転...「ヒシ茶」量産体制へ 協力隊員が新会社

 
猪苗代湖のヒシ刈りの現場で、乾燥したヒシの実とヒシ茶「いなびし」を手にする長友さん

 猪苗代湖産のヒシの実でつくるお茶を商品開発した猪苗代町地域おこし協力隊の長友海夢(ひろむ)さん(26)が、ヒシ茶の量産体制に向けて会社を設立した。会社名は商品名と同じく「いなびし」とし、インターネット上で資金調達を図るクラウドファンディング(CF)も始めた。将来は「町内にヒシ茶工場を造り、地域に新たな産業を生み出したい」と意気込む。

 長友さんは猪苗代湖に大量発生する水草ヒシの実に注目して商品開発に取り組んだ。ヒシは枯れると腐敗してたまるため水質悪化の一因とされるが、長友さんは「厄介物のヒシの実を名物にしたい」とおととしから研究をスタート。ヒシの実を丁寧に乾燥して焙煎(ばいせん)し、香ばしく味わい深いお茶の開発に成功した。

 1袋10パック入りのヒシ茶の商品「いなびし」(1080円)を180袋用意して今年3月、道の駅猪苗代で販売を始めると売れ行きは好調。現在は在庫がほとんどない状態だという。

 手応えはつかんだが、課題も見えた。商品に使えるヒシの実の採取時期は毎年9月のみで、その1カ月間で一気に収穫しなければならない。昨年は作業場や機材がそろわず、準備不足のせいで収穫したヒシの実の8割近くを駄目にしてしまった。このため、長友さんはCFで集まった資金を活用して「町内の使われていない倉庫を改装し、作業場にして機材もそろえ、量産体制を整えたい」と話す。

 11月中旬に販売予定

 CFは「レディーフォー」の専用サイトで受け付けている。募集期間は8月2日まで。同月中に作業場を整備し、9月の収穫後はお茶にするための作業を進め、11月中旬ごろの販売開始を予定している。

 長友さんは「地場産品として定着させるには量産体制の確立が第一歩になる。飲んでおいしいだけではなく、猪苗代湖の水質改善にもつながるので、町を代表する土産物にしていきたい」と話している。