福島県内のおかず一冊に 服部さん発刊「食文化の良さ見直して」

 
本県の郷土料理などをまとめた本「ふくしまのおかず」

 本県ならではの郷土料理や食材をまとめた本「ふくしまのおかず」が全国発売された。出版社「開港舎」社長の服部一景(いっけい)さん(73)=神奈川県葉山町=が2020年から本県で取材して発売に至り「各地に素晴らしい食材や食文化がたくさんある。当たり前と思わず、その良さを感じてほしい」と県民にメッセージを送った。

 服部さんは大手出版社を退職後、47都道府県の郷土料理や食材を後世に伝えようと取材し、自身が設立した出版社から「日本のおかずの本」シリーズとして発表している。

 福島版は13冊目で「春夏編」と「秋冬編」を刊行した。メヒカリや会津地鶏、アスパラガスなど地域の食材を使った料理に加えて、白河メンチカツ、鮫川村のジャージー牛乳、会津のこづゆ、いわき市のワンダーファームなど、食文化の特徴を伝える「おかず旅」も掲載。「食文化を楽しむには、その土地の風景も大切」とし、写真付きで各市町村の概要などを紹介している。

 服部さんは「福島県は広く、浜通り、中通り、会津それぞれ食文化が違う」と語る。印象に残った食材として会津伝統野菜の「よまききゅうり」や、いわき市小川の里芋「長兵衛芋」を挙げ「よまききゅうりはみずみずしく、長兵衛芋はほくほくしておいしかった」と振り返った。

 県内全ての小中学校、高校、特別支援学校に本を配布したい考えで「子どもたちに読んでほしい。子どもから親に伝えてもらうことで、食文化の良さを見直すきっかけになれば」と話している。

 服部さんは記事だけではなく、写真撮影やレイアウトなども担当。新型コロナウイルス禍の中、車で寝泊まりしながら取材活動を続けた。価格は1320円。出版元は河出書房新社で、スーパーマーケットの協業組織「CGC」が制作費を支援した。