飯舘で就農...希望の花咲かす、小原さん トルコギキョウ収穫に汗

 
トルコギキョウの生育状況を確かめながら「村の農業発展に貢献したい」と話す小原さん

 首都圏から飯舘村へ移り住み、花卉(かき)農家に就農した小原健太さん(44)は、トルコギキョウの収穫に汗を流している。小原さんは「これから先不安なことはいっぱいあるが、前向きに花の栽培に挑戦し続けていきたい」と意気込みを語る。

 北海道出身で新潟県育ちの小原さんは、高校卒業後に都会への憧れを抱き、埼玉県で就職。村に移住した2020年5月までは、都内の梱包(こんぽう)資材メーカーで営業を担当していた。仙台の支店への人事異動で農業資材を扱う部署に移り、農家と直接触れ合う機会が増えていった縁で村への移住を決めた。

 地元農家から約36アールの農地を借り受け、21年春にビニールハウス5棟で花卉栽培に乗り出した。しかし、トルコギキョウの苗の定植を1週間後に控えていた時だった。村内で強風が吹き荒れ、ハウス2棟が倒壊。この年の定植は断念した。「定植直前の被害で心が折れかかったが、周囲の支えもあり何とか気持ちを立て直すことができた」と振り返る。被害を免れた残りのハウスで再スタートを切った。

 地元の花卉農家を訪問し、栽培のアドバイスを受けながら、今年2月に栽培を再開。6品種のトルコギキョウ約1万本を定植した。ハウスには薄紫や白、ピンク色などの花が咲き誇り、10日に初出荷を迎えた。9月いっぱいが収穫の最盛期という。来年は1万5千本の生産を目標にしている。

 「うれしさ1%、不安や恐怖が99%。常に緊張感を持って、課題をクリアしながら、栽培に向き合っている」と心境を話す小原さん。「惜しげもなく栽培技術を教えてくれる農家さんに感謝でいっぱい。恩返しの気持ちや新規就農者増加への期待を胸に、栽培に全力で取り組みたい」と抱負を語る。