日本水環境学会発展に貢献30年 福島大・原田教授が功労賞受賞

 
日本水環境学会の功労賞を受賞した原田教授

 福島大食農学類の原田茂樹教授(59)が、日本水環境学会の功労賞を受賞した。原田氏は、約30年にわたって学会の運営や発展に貢献してきたことが評価され「地道に活動を継続してきたことが認められ、とてもうれしい」と喜ぶ。

 同学会は水環境に関連する分野の学術的調査や研究などを目的としており、会員数は全国で約2100人に上る。功労賞は5年ごとに学会への貢献が大きい会員に贈られる。

 原田氏の専門は水土壌圏環境学で、研究内容は浸水を防ぐ治水、水資源を生かす利水など幅広い。「海に流れる水は山や陸から来るため、海から陸を見る発想を得た。森林から川、そして里を通ってまた川に出て海に出るという連続の流れを研究したかった」と振り返る。

 広島市出身。東大大学院工学系研究科博士課程を経て、国立環境研究所主任研究員などを歴任した。研究の原点には「人や社会とつながりながら技術を生かしていきたい」との思いがある。全国的に水害が頻発する中「地球規模で気象が変化している。人間が森林を切り開いて都市をつくり、流域を変えてきたこともあり、複合的な影響がある」と語り、水が通過できるコンクリートを使った研究に励んでいる。「洪水の原因を理解し、社会に根付くような技術を開発して解決策を提案したい」

 現在は、微小なプラスチックごみ「マイクロプラスチック」の問題を研究している。プラスチックに包まれた「被覆肥料」のプラスチックの殻が代かきなどで流出しているとし、研究者関係者の間では「一番の原因は人工芝。雨で流出しているプラスチックの繊維が流出量全体の23%を占め、被覆肥料は15%程度に当たる」との指摘もある。その指摘から問題意識を持って活動しており、原田氏は「水田から(肥料を包んでいるプラスチックの)カプセルだけを除去するような技術を考えたい」と意欲を見せる。