習わし復活...コロナ退散願う、相馬・白髭神社で100年ぶり再現

 
つつこなどを載せたわらじをツバキの枝に結ぶ子どもたち=相馬市・白髭神社

 相馬市石上の白髭(しらひげ)神社で4日、例大祭に合わせ、疫病退散を願う古い習わしが復活した。この習わしは少なくても100年余り途絶えていたが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、宮司の荒平(ひとし)さん(92)らが中心となって言い伝えを基に再現した。地域住民約30人が集まり、感染症の早期収束と子どもたちの健康への祈りを込めて行事に臨んだ。

 荒さんや「相馬市史」によると、白髭神社は天然痘や、はしかから人々を守る神を祭っているとされる。江戸時代、相馬中村藩主の姫が家老の岡田監物(けんもつ)と一緒に参拝するなど、広く信仰を集めてきた。

 社殿はかつて、荒さん宅に生えている大ツバキのそばに立っていた。はしかが流行する春先には、赤飯を稲わらで包んだ「つつこ」と五色の幣束を取り付けたわらじを、大ツバキの枝につり下げ、疫病退散を願う習わしがあったという。

 しかし、由緒ある神社を「個人宅に置くのは忍びない」(相馬市史)との理由から、明治時代に地域の共有地となる現在地に社殿を移したことで、大ツバキにつつこなどを奉納する習わしが廃れてしまった。

 長引くコロナ禍に心を痛めた荒さんが、忘れ去られようとしていた習わしの復活を決意。例大祭に向け、荒さんがつつこを手作りし、地域住民らが大ツバキから取った枝を社殿のそばに立てるなどして準備を進めた。

 例大祭では地域の子どもたちを代表して松本詞隆(しりゅう)君(大野小3年)らがつつこなどを載せたわらじを枝に結び付けた。続いて、子どもたち全員が社殿に玉串をささげた。

 荒さんは「古い習わしを再現することで、先祖たちが疫病に負けずに立ち向かったことを思い出し、コロナ禍をみんなで乗り越えてほしい」と思いを語った。

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ツバキの枝に結び付けられたわらじ。つつこと五色の幣束が載せられている