東日本台風の教訓 後世に、川俣高と地元自治会が調査記録活動

 
地区住民(左手前)から台風被害の概要などを聞き取る生徒ら

 川俣高と川俣町小島地区自治会は、2019年の東日本台風(台風19号)で被災した同地区の被害実態を調査し、記録に残す活動に乗り出した。被害の記憶と教訓を後世に残そうという取り組みで、調査に参加する生徒らは「改めて自然災害の恐ろしさを感じた」と防災意識を育んでいる。

 同自治会によると、東日本台風では、同地区を流れる広瀬川が氾濫し、越水による家屋や橋の流出、床上浸水、土石流など甚大な被害が発生。土砂崩れによる道路寸断も相次ぎ、集落も一時孤立した。

 活動には町社会福祉協議会とNPO法人「AAR Japan(難民を助ける会)」が協力。全4回を行い、全校生徒46人が地区住民から当時の被害状況などを聞き取る。9日の調査では、班ごとに分かれて地区内の小ケ坂行政区などに足を運び、住民から当時の被害状況や避難の動き、災害への備えなどについて聞き取った。

 生徒らは実際に被害が発生した場所に出向くなどし、住民らから「雨で流れた枯れ木や落ち葉が用水路に詰まり、大量の水があふれて道路が崩落するなどの被害が出た」「高齢者ら『災害弱者』の迅速な避難が課題」などの声を聞いたという。

 今後は、住民からの聞き取った内容を基に、土砂崩れが発生した場所や浸水範囲などの情報を落とし込んだデジタル地図を作成する予定。地図は紙媒体で地区住民への配布も予定している。

 参加した3年生の斎藤己滉(おとひろ)さん(17)は「現地調査を通じて災害は場所を選ばないということが理解できた。日ごろから自分の住んでいる地域の危険箇所や避難場所を把握しておきたい」と話した。自治会の鈴木栄一会長(72)は「活動をきっかけに防災に関心を持つ生徒が増えてほしい。台風災害の教訓を見える形で10年、20年後に語り継いでいきたい」と力を込めた。