何度も起き上がる「だるまカップ」 大堀相馬焼・松永さん開発

 
「県南地域と関係ある作品を作りたかった」とだるまカップを制作した松永さん

 東日本大震災の影響で浪江町から西郷村に拠点を移した大堀相馬焼松永窯3代目窯元の松永和生さん(73)は、白河だるまからヒントを得た何度でも起き上がる湯飲み「だるまカップ」を開発した。「迎えてくれた県南にゆかりのある作品を」との思いを込めた湯飲みは同窯で販売されている。

 だるまカップは転がしても、横に倒しても、カップの力で自然と起き上がる。松永さんは「だるまと同じ原理。重心を低くすることで起き上がる」と説明する。デザインはだるまカラーの赤を基調としており、大、小の2種類のサイズがある。今後、大堀相馬焼伝統の「青ひび」などのデザインも増やしていく予定だ。

 だるまカップの制作のきっかけは、感謝の気持ちだった。もともと浪江町にあった松永窯の工房は、震災の地震により、焼き物が棚から崩れ落ちるなど壊滅的な被害を受けた。東京電力福島第1原発事故に伴う避難で、山形県や栃木県などを転々とした後、21年3月に同村で新たな窯を開いた。

 同村に移り住んで約1年半。松永さんは「温かく迎えてくれた西郷の人たちに恩返しができる作品を作りたい」と、だるまカップの制作を決めたという。暗いニュースが多い中、「諦めずだるまのように何度でも立ち上がろう」との思いも込められている。松永さんは「カップは起き上がっても、中に入ってる飲み物はこぼれてしまうので、飲む前に遊んでみてほしい」と笑顔を見せた。

 価格は大サイズが2750円、小サイズが2200円。時間は午前10時~午後5時。水曜日定休。問い合わせは同窯(電話0248・21・5334)へ。