作家・久米正雄両親の「墓誌」 研究家ら設置、判明の戒名刻む

 
久米の両親の戒名が刻まれた墓誌

 郡山市ゆかりの作家久米正雄の研究家庄司一幸さん(72)=郡山市=ら有志は、市内の道因寺にある久米の両親の墓に、戒名などを刻んだ墓誌を設置した。墓誌の開眼供養式が21日、現地で行われた。

 庄司さんによると、墓誌の設置は両親の戒名が約124年ぶりにともに判明したことがきっかけ。両親の墓に戒名が刻まれていないことを不思議に思った庄司さんらが調査し、戒名が明らかになった。

 久米の父で、福島師範学校の前身となる小学校教則講習所の校長を務めた由太郎(よしたろう)の戒名は、葬儀を行った長野県上田市の呈蓮寺の檀家(だんか)記録に残っていた。母幸(ゆき)の戒名は、道因寺に残っていた資料から確認した。

 戒名の判明に合わせて両親を供養したいと庄司さんが、知人で「現代の名工」の佐藤達好さん(77)=山好佐藤石材店=に相談したところ、佐藤さんが墓誌の制作を快諾した。墓誌は縦77センチ、横76センチの黒御影石製。線香立て二つも作った。

 供養式は、久米家の宗派浄土宗善導寺(郡山市)の中村隆敏前住職が執り行った。関係者が線香を上げ、両親の冥福を祈った。道因寺の石田宏寿前住職も参列した。庄司さんは「ご縁があって墓誌を設置することができて良かった」と感謝した。

 10月15日に研究会発足

 郡山市の歴史愛好家ら有志は10月15日、久米正雄の研究会を発足させる。庄司さんによると、久米の研究会は全国初とみられる。久米が少年期を過ごした郡山市での活動をはじめ、作家や俳人としての足跡などを研究する。愛好家ら十数人で活動を始め、随時会員を募集する。

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※写真=久米の両親を供養する(右から)庄司さん、中村前住職ら