和楽器の魅力...次世代に、福島の兄妹 稽古に熱、小学校で指導も

 
「若い人に民謡や和楽器に興味を持ってほしい」と話す祐介さん(左)と栞さん

 日本の伝統芸能を次世代につなごうと、若手和楽器奏者のきょうだいが稽古に熱を入れている。福島市の会社員青山祐介さん(29)は尺八、妹の公務員武藤栞さん(25)は三味線の演奏技術を磨いており「若い人に和楽器や民謡など伝統芸能の魅力が広まってほしい」と願い音色を響かせている。

 尺八を演奏する祖父高野善兵衛さん(85)の影響で、祐介さんは小学5年の時に楽器を手に取った。栞さんは尺八と一緒に舞台に立つ三味線にひかれ、小学3年の頃から習い始めた。

 祐介さんは尺八について「伸びやかな音が特徴で、音の長さによって多種多様な表現ができる。歌声の高さに応じて長さも変えるため、歌い手に合わせて演奏することが大切」と奥深さを語る。栞さんは「しなやかで迫力のある音の響きが魅力の一つ」と三味線の良さを紹介し「指の触れ方で音の響きが変わるので、きれいな音が歌声に乗るように弾いている」と話す。

 2人とも日々の仕事に励みながら、祐介さんは米谷流威和臣会、栞さんは岡部流さちゑ会の一員として稽古に打ち込み、定期開催の交流会で演奏を披露しているという。舞台では「私たちはあくまで裏方の役割。歌声を引き立てられるような音を出すことを心がけている」と口をそろえる。

 幼い頃から大人に交じり和楽器に触れる中、2人は同年代の演奏者が少ないと感じてきた。同時に脳裏に浮かぶのは、善兵衛さんが常々口にしている「日本の伝統を孫子の代まで継ぎたい」という思いだ。

 だからこそ自分たちの演奏をきっかけに「若い人が民謡や和楽器に興味を持ってくれたらうれしい」と祐介さん。栞さんは資格を生かして小学校で三味線を教えており、後進の育成にも力を注いでいくつもりだ。