自由に持ち帰り...食料や生活用品、福島に「みんなの倉庫」開設

 
「みんなの倉庫」の前で、寄付された菓子や乾麺を手にする森口さん

 来店客が家庭などで消費しきれない食料や生活用品を寄付し、欲しい人が自由に持って帰る―。福島市方木田の飲食店「くつろぎ納屋森のキッチン」は店内の一角に「みんなの倉庫」と名付けた棚を設け、食料などの循環型の仕組みを作っている。店主の森口秀貴さん(46)は「気軽にギブ・アンド・テイクができるようにしたかった」と狙いを語る。

 店内の棚には菓子や乾麺、文房具、洗剤、ティッシュなどの寄付品が並ぶ。寄付する際には未開封や賞味期限が切れていないなど、最低限のことを守ってもらうが、細かいルールや年齢制限はなく、子どもから高齢者まで誰でも利用できる。お歳暮やお中元のシーズンは特に寄付が増える傾向があるという。

 店は子ども食堂も運営していて、食材などの寄付が集まるが、月2回の活動では余ることもあったため、昨年9月に棚を設置。約1年が経過し、棚を介した物のやりとりは日常的な光景となった。

 森口さんが目指すのは人の居場所づくり。高齢でも元気だった祖父が妻に先立たれてから急激に弱り、在宅介護が必要になった姿を目の当たりにして「人が健康に暮らすにはコミュニティーが欠かせない」と痛感したからだ。脱サラして2020年2月に店をオープン。子ども食堂の運営や棚の設置も人と人をつなぐためにスタートした。

 近年、家庭で余った食品を福祉団体などを通じて生活困窮者に寄付する「フードドライブ」の取り組みが広がっている。

 森口さんは「実は、棚を設置してから『フードドライブ』という言葉を知った。この店は寄付の受け付けから配布まで一気通貫で行っている」と笑い「今後も人の居場所づくりのため何ができるか考えたい」と力を込める。