警察犬ともに指導手歴20年、いわきの渡辺さん 県警本部長感謝状

 
愛犬と共に警察活動に協力する渡辺さん夫婦

 いわき市の渡辺武彦さん(80)はJRを退職後、県警捜査嘱託犬(警察犬)の指導手として20年余り活動している。出動件数は132回を数え、パートナーの捜査嘱託犬と共に行方不明事案や事件の解決に力を注いできた。「ここまで活動できたのは妻の協力があったから」と家族への感謝を口にする。

 渡辺さんは原町駅長などを歴任し、1999年にいわき駅長で退職するまで住民の足を支えてきた。指導手となったのは、98年の冬に母ヨシさんが亡くなった際、事故と事件の両面で捜査が行われ、その際に時間をかけて懸命に捜査を尽くす警察職員の姿に胸を打たれたからという。

 「退職したら、お世話になった県警の皆さんに恩返しがしたい」。思案する中、指導手の活動を知り、それまで動物を育てた経験はなかったが、シェパードを飼い始めた。訓練ができるよう富岡町の自宅庭を改装。数回の挑戦を経て2002年に初合格し、指導手としてスタートラインに立った。

 当時は指導手が少なく、活動は浜通り全域にわたった。車の免許を持っていない渡辺さんに代わり、妻てる子さん(77)が運転をして渡辺さんと愛犬を現場に送り届けた。山菜採りに出かけ、大熊町の山林で行方不明となった男性を発見したり、楢葉町で行方不明となった少年を足跡追求で約2時間半後に発見したりした。

 てる子さんは「運転が好きだったこともあって応援できた」と夫婦二人三脚で捜査に協力してきた。東日本大震災などの影響でいわき市に避難したばかりの頃は、愛犬を知人や動物愛護団体に預けながら審査に臨み、活動を続けた。

 長年にわたる活動をたたえ、11日に福島市の県警機動センターで開かれた審査会の席上、本部長感謝状が贈られた。渡辺さんは「これからも微力ながら警察活動に貢献したい」と誓った。