3代目警備艇と海の安全守る 津波経験、乗組員「想定外なく」

本県沿岸の安全・安心を守る県警水上警察隊の3代目警備艇「おなはま」が29日、配置から20年を迎える。警備艇で東日本大震災の津波を経験した乗組員の遠藤祥美機関長(52)は「あらゆることを想定して業務に臨み、海の安全・安心を守りたい」と決意を新たにする。
警備艇はいわき東署水上派出所を活動拠点に、本県沿岸約150キロ、沖合約37キロの区域や港湾施設をパトロール。犯罪の予防や摘発のほか、不審船発見、人命救助などの活動を行っている。
遠藤機関長は警備艇に携わって31年目で、2代目の時から乗船している。震災時は、いわき市の小名浜港で警備艇の整備をしていた。「10メートルの津波が押し寄せる」。情報を入手すると、防潮堤に釣り人がいないかを確認した後、沖に船を出した。経験したことのない水面の盛り上がり方に、スクリューがうなりを上げた。海上で安全な場所を探して一夜を過ごし、漂流物を見つけると人がいないか確認するなどしながら岸に戻った。港に到着すると風景が一変しており驚いたという。その後、行方不明者の捜索などに当たった。
震災を経験したことで、安全最優先の大切さを改めて実感した。遠藤機関長は、自船の位置を確認する機械に海上の状況について印を付け、視界が悪くても安全航行できるよう取り組みを進めているという。
現在は、菜花禎昭副機関長(33)、橋本隆志航海士(28)、関根寛史巡査長(34)と共に業務に臨む。遠藤機関長は「とにかく準備を徹底して、想定外をなくしていく必要がある。今後も力を尽くしていく」と話した。
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