亡き母にささぐ金メダル、郡山の相楽さん 空手国際大会で表彰台

新国際空手道連盟芦原会館郡山南支部の支部長を務める郡山市の会社員相楽誠さん(46)は、11月に東京都で開かれた「第1回インターナショナルコンベンション空手道選手権大会」の組手マスター男子68キロ未満の部で優勝した。国際大会で頂点に立つのは初めて。2月に交通事故で他界した母への誓いを果たし「いつも応援してくれた母に金メダルを届けられて良かった」と喜んだ。
相楽さんが空手を始めたのは30歳の時。当時5歳の長女が通う空手教室でミットをたたかせてもらったことがきっかけだった。「無心になれるし、スッキリする」。小学生から続けてきたサッカーを20歳でやめて以来、10年ぶりにのめり込める競技に出合った。
しかし芽が出るまでには時間がかかった。試合で対戦する相手は空手歴20年以上のベテランばかり。身長161センチの相楽さんにとって、体格でも上回る相手との対戦は「突きや蹴りの質が雲泥の差だった」。敗戦の悔しさをバネに、週5日の稽古のほか、東京都の道場でも出稽古を重ね、3年ほど前からようやく表彰台に立てるようになった。
勝利を報告するたびに泣いて喜んでくれたという母トシ子さんとの別れは突然だった。2月18日午後、トシ子さんは買い物をするために訪れたコンビニ駐車場で後退してきた小型トラックにはねられ、亡くなった。「あまりにも突然のことで涙が止まらなかった」
悲しみを抱える中、母に金メダルを届けようと臨んだ大会の決勝では、身長180センチの相手と対戦。長男匠皇(たくみ)さん(16)と長女澪空(しずく)さん(21)がセコンドに付き見守る中、ステップを使って相手の攻撃をかわしながら持ち味の力強いパンチを繰り出し、延長戦を制した。
自宅に帰った相楽さんは遺影の中でほほ笑む母に金メダルをかけ、こう報告した。「遅くなってしまったけど、国際大会で優勝できたよ。もっと強くなるから見守っていてね」。相楽さんは11日に東京都内で開催される全日本空手道選手権大会(個人戦)優勝に向け、天国の母に一層の鍛錬を誓った。
- 「アロハの日」記念、特別ダンス ハワイアンズ
- 夢があったから前を向けた...スケートの高木菜那さん、石川で語る
- 富士山遊覧フライトいかが 3月20日運行、福島空港30周年企画
- ごみ問題とリサイクル...環境学習 福島大教員らから付属小児童
- 猪苗代湖...SDGs体験旅提案、「観光甲子園」決勝出場の安積高生
- 人口減喰い止め策は「会津の魅力、情報発信」 市長に高校生提言
- 奥会津の脱炭素と山づくり 三島町と国立環境研究所がパネル討論
- 創作活動へ6期生決意 福島県講座、クラフトアカデミー修了式
- 日常読み込んだ合同歌集作成、南相馬「あんだんて」 210首収録
- SDGs推進へ連携 相双五城信組、あいおいニッセイが締結式