語り継ぐ手助けに... 伊達出身の秦さん、新地の歴史を冊子に

 
完成した冊子を手にする秦さん。「新地の人々が歴史について語り、伝えていってほしい」と話す

 伊達市(旧伊達町)出身の秦純子さん(63)=東京都練馬区=は、東日本大震災後のボランティア活動で交流を深めた新地町の歴史をまとめた冊子「新地を創った人々」を作成した。冊子では主に明治維新から昭和までに活躍した町の先人たちの足跡をまとめた。秦さんは「震災で町の姿は変わっても、地層のように積み重なってきた新地の歴史を伝えていきたい」と話している。

 秦さんは名古屋市の大学を卒業後、県内に戻ったが、結婚を機に都内に移り住んだ。震災後、ボランティアグループのメンバーとして新地町に通い、グループの活動が終了した後も、関わりのできた町民らを訪ねている。

 冊子の執筆は「地域の歴史を知る人が少なくなってしまった。伝えたいのだが、どうしたらよいだろう」という町民の声や、津波被害を受け集団移転した埒浜(らちはま)地区の歴史の継承に努める三宅信幸さんらの勧めがきっかけだった。

 資料収集を始めてから完成まで7年程度を要したという冊子では、町内に共同学舎「観海堂」を設立した目黒重真、全国で斬新な建物を設計した建築家の遠藤新ら町出身者3人と、町内に結核療養所を開いた小塚文治などを取り上げた。

 秦さんは11日、完成した冊子36部を町に寄贈した。冊子は、町内の小中学校や図書館などに配られる予定。秦さんは「新地の人々が歴史について語り、伝えていってほしい。冊子がその手助けになれたらうれしい」と話した。