大堀相馬焼の「たき火台」発売 2次燃焼で効率よく、災害時にも

 
煙をほとんど出さずに美しい炎を上げる「焚き火鉢 栄」

 大堀相馬焼の窯元が協力した陶器のたき火台「焚(た)き火鉢(ひばち) 栄(さかえ)」の販売が今月から始まった。アウトドア用品を手がけるアドベント(福島市)が商品化した。煙をほとんど発生させずに効率よく火力を出す2次燃焼が可能。炭火を使う際に底に水を張ると、水蒸気調理もできる優れものだ。

 キャンプ需要を見込んで開発し、災害時にも役立つ商品に仕上げた。佐藤邦人代表(59)は「たき火は火力が高く、短時間でお湯が沸く。炭火を使う水蒸気調理は肉や魚がふっくらと焼き上がる」とPRする。

 同社によると、2次燃焼式のたき火台は金属製が多く、製造が難しい陶器では世界初の可能性があるという。商品は大きさが直径、高さともに15センチ、重さ約1キロの1~2人用。今後、1人用や家族用も発売し、3種類のサイズを取り扱う。

 商品開発は約1年前に大きさの異なる二つの植木鉢を重ねて試作したところから始まった。植木鉢の素材は高温で割れてしまい、土鍋のような耐熱性の確保という課題に直面。全国各地の有名な窯元にも協力を求めたが「うちの陶器では作れない」と断られたという。

 2次燃焼は側面に空洞を設け、空気の通り道がある二重構造によって生じる。佐藤代表が頭を悩ませる中で思い出したのが亡き祖父が愛用していた大堀相馬焼の湯飲みだった。沸騰したお湯を入れても熱さを感じないで持つことができると教わった。二重構造の伝統技法があるためだ。

 たき火台に応用できると考え、震災と原発事故で浪江町から白河市に避難した大堀相馬焼錨(いかり)屋窯を頼ると「湯飲みのでかいやつでいいんだべ」と二つ返事で試作品を製造してくれた。その後、サイズの改良を経て商品化にこぎ着けた。

 佐藤代表は郵便物運送の受託会社を営む傍ら、長年の趣味だったキャンプへの思いが強まり、1月にアドベントを設立したばかり。たき火台が第1号の商品となり「自分の好きなことを仕事にできるのは楽しい。福島からヒット商品を生み出せるようにしたい」と力を込める。

230126nk-topic501.jpg

「福島からヒット商品を生み出したい」と意欲を見せる佐藤代表

 サイトで受注販売

 「焚き火鉢 栄」はクラウドファンディングのサイト「キャンプファイヤー」で受注販売している。定価は1万4800円(五徳付きは1万7800円)。先着で割引がある。問い合わせは佐藤代表(電話070・6614・2454)へ。