壁画でわくわく空間に 二本松・岳温泉「マウントイン」通路改装

二本松市岳温泉の温泉旅館「マウントイン」が、建物裏側の大駐車場から館内に向かう裏通路で制作を進めていた壁画が完成した。薄暗く殺風景な通路が「チャレンジのキッカケをつくる場所」を掲げる同旅館らしく、わくわくするような空間に生まれ変わった。
マウントインは2019年に廃業した旅館を改装して開業。「アクティビティー(旅先での遊び)好きのための温泉宿」を基本発想として、安達太良山や周辺の自然、観光資源を遊びつくしたい旅人向けの宿泊プランを提供する。岳温泉でも新タイプの温泉旅館だが、裏通路は壁が白く塗られただけで、30年以上前の古びた旅館の雰囲気を残したままだった。
旅人の入口~、アーティスト宮川さん制作
同館は裏通路を、温泉宿として単に宿泊客を受け入れるのではなく、新たな出会いやきっかけをつくるための入口(ゲート)にしたいと、壁画制作を企画。本宮市で空き家を活用して街を活性化させる「扉宮プロジェクト」の発起人となった、同市のアーティスト宮川幸子さん(24)に制作を依頼した。
壁画のテーマは「旅人の入口~ここは可能性」。宮川さんは、裏玄関からフロントまで延長約50メートル、高さ約2メートルの壁に、豊かな自然が広がる安達太良山麓を思わせる自身の心象風景を、海外のストリートアート風に描いた。宮川さんは「日常から離れて心身を癒す場所へのゲートをつくりたかった。海外の街を歩いているような気分を味わってほしい」と話した。
鈴木安太郎社長は「暗かった裏通路が華やかな空間に生まれ変わった。お客さまにぜひ見に来てもらいたい」とアピールした。同館は、壁画制作の模様を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。問い合わせは同旅館(電話0243・24・5234)へ。