「フレイル予防」実証事業 いわき市、専用スパッツで健康度測定

 
専用スパッツで機器の実演をする職員

 加齢や運動機会の減少で心身の働きが弱くなる「フレイル」の進行を防ごうと、いわき市はIoT(モノのインターネット)技術を活用したスパッツで健康度をチェック、虚弱状態の早期発見、予防につなげる実証事業に着手する。今月から3月まで、出張行政サービス「お出かけ市役所」で活用するほか健康イベントなどで市民に体験してもらい、将来的な実用化を検討する。

 「フレイル」は健康な状態と要介護状態の中間の段階で、心身の機能が低下している状態を指す。フレイルが進むと、疲れやすくなったり、回復力や抵抗力が落ち、病気が重症化しやすくなったりするという。

 今回の事業では、希望者がモーションキャプチャ付きのスパッツを着用。専用のソフトウエアで動きを解析、〈1〉歩幅〈2〉歩行速度〈3〉つま先の高さ〈4〉左右の偏り〈5〉リズム―の5項目で歩行の健康度をスコア形式で測定し、簡易的なアドバイスを行う。

 市によると、同市の要介護認定率は20.8%で、全国の18.9%、県全体の19.3%と比べても高い。市民の傾向として運動の頻度が少なく、塩分摂取量も高いことが原因とみられている。こうした現状から新たな取り組みとして機器の導入を決めた。市スマート社会推進課の担当者は「数値を実際に見ることで予防につながる。実証事業で効果を見極めていきたい」と話している。