コース料理の店、住民向けプレオープン 富岡、活性化や帰還促進

 
今月下旬にもオープンする「RaFand」

 カフェレストランとフラワーショップ「RaFand(ラファンド)」は、今月下旬にも富岡町のJR夜ノ森駅西側にオープンする。「和洋の融合」がコンセプトで本格コース料理を楽しめる。同町夜の森地区出身でオーナーの遠藤美音さん(36)は「人の輪がつながる場所にしたい」と話す。9日、地域住民向けにプレオープンした。

 JR夜ノ森駅周辺は震災と原発事故の影響で飲食店や交流スペースなどがなくなり、人の往来もまばらとなった。そんな古里の姿を見た遠藤さんと、母で一般社団法人「富岡復興ソーラー」代表理事の遠藤陽子さん(72)が、地域の活性化や帰還の促進を目的に飲食店の開店を決意。多様な食材を楽しめるコース料理の店に決めた。

 店では福島県産の食材を多く使い、和食と洋食を専門とする2人のシェフが腕を振るう。うま味調味料は使わず素材本来の味を楽しめるのが特徴で、今後は双葉郡で取れた食材もメニューに入れていくという。

 飲食店に併設してオープンするフラワーショップでは、町内でハウス栽培したバラなどを販売する。桜やツツジに加え、町の新たなシンボルを目指して売り出していく。

 プレオープンでは福島牛や「常磐もの」のヒラメなどが振る舞われた。参加した富岡町の遠藤通仁さん(67)は「復興が進むきっかけになればうれしい」と話した。

 住所は、富岡町本岡字清水前399、電話0240・25・8615。営業時間は午前11時~午後3時の予定で、ディナーは完全予約制。営業日は今後決める。