浪江の歴史と記憶、ゲームで紡ぐ 南相馬・NoMAラボが制作

 
オンライン謎解きアドベンチャー「時の波へ」

 一般社団法人NoMAラボ(福島県南相馬市)は、東京電力福島第1原発事故で全町避難した浪江町の歴史と記憶をたどるオンライン謎解きアドベンチャーゲーム「時の波へ」を制作した。14日に無料公開を始める。ゲームを通じた町の記憶の継承や町出身の子どもたちが古里に関心を持ってもらうきっかけづくりなどにつなげる。

 ゲームは、主人公の少年が昔の浪江にタイムトラベルし、謎の少女「なみちゃん」とともに、そこで出会う浪江の人々の困りごとを解決しながら現代に近づいていく物語。ゲームの時代背景は鎌倉~現代。謎解きは計7問あり、町内の苅宿、津島、大堀、幾世橋、権現堂、請戸の各地区ごとに暗号解読などを行うほか、最後に「未来パズル」を組み立てながら浪江の未来は誰が担うのかを問う。難易度は震災時の記憶がほとんどない中学3年生に合わせた。所要時間は45~60分。

 「謎解きで歴史追体験」

 ゲームは本県在住者の6人が中心となり「オール福島」のスタッフ陣で制作した。法人代表で企画と総合プロデュースを務めた高橋大就さん(47)=浪江町在住=は「浪江の歴史を追体験しながら謎解きを楽しんでもらいたい。最後の問いにメッセージを込めた。浪江の歴史や記憶を紡ぎ、浪江の未来を担うのはあなただ」と話した。ゲームはパソコンかタブレット端末で楽しめる。スマートフォンは利用できない。URLはhttps://tokinonamie.com