生活に深く関わる「民主主義」考えて 高校生5人の漫画完成

 
漫画を制作した(左から)塩沢さん、山川さん、内沢さん、太田さん、永沼さん

 福島県石川町の高校生5人が自由民権運動をテーマに漫画を制作した。作品集の発表会が18日、同町の鈴木重謙屋敷で開かれ、高校生は「制作を通じて私たちの生活に民主主義が深く関係していることを実感した」などと感想を語った。

 作品集は石川地方の自由民権運動の功績を伝えている石陽社顕彰会が発行した。自由民権運動家で福島民友新聞創始者の河野広中の没後100年記念事業。

 漫画を制作したのは学法石川高の永沼桜子さん(3年)、太田結月(ゆづき)さん(2年)、内沢樹花(じゅな)さん(同)、山川紗季さん(1年)、県立石川高の塩沢奈緒さん(同)。町出身の漫画家竹内七生さんの指導を受け、約3カ月かけて制作した。それぞれ数ページで、運動家を紹介したり、運動の舞台裏を描いたりした。

 発表会では、顕彰会の古藤邦英代表が「個性あふれる漫画を描いてくれた。戦争が起きている今こそ、若い人たちに自由民権運動に興味を持ってもらいたい」とあいさつ。

 高校生は「ほかの町ではできない体験ができた」「学んだことが読者に伝わるように描いた」と制作した感想を述べた。

 作品集には漫画のほか、自由民権運動に関連する町内の史跡の紹介がまとめられている。顕彰会は作品集を町内の公共施設を中心に配布し、町立図書館などで閲覧できるようにする考え。新年度も高校生に漫画を制作してもらう取り組みを続けるという。