受験生に室屋義秀さん、直川貴博さんエール 役立つアドバイス

 
室屋義秀さん(右)と直川貴博さん

 県立高校入試の前期選抜まであと少し。今回は受験生応援企画として、常に緊張や不安をはねのけながら本番に臨んでいる福島市在住のエアレースパイロット室屋義秀さん(50)、福島中央テレビアナウンサーで"美容男子"として注目される直川貴博さん(28)に緊張や不安との向き合い方、役立つアドバイスを聞きました。

 エアレースパイロット・室屋義秀さん 呼吸整えれば心も落ち着く

 ―受験前の不安にどう対応すればいいですか。
 「本番を前に不安になるのは当然で、僕もなります。不安は大きく二つに分かれると思っていて、一つは『落ちたらどうしよう』といった自分の内側から湧き出てくる不安。うまくいかない未来を勝手に想像して不安になる。もう一つは、いつもと違う環境で試験を受けるという外からくる不安。この外的なものは受け入れるしかない。だから、どっちの不安かを区別し、外からくる不安は『仕方ない』と捨てることができると、不安は半分になります」

 ―不安はどうすれば軽くなりますか。
 「外からくる不安に対して準備することはできます。当日の朝起きてから会場に行くまでの流れを、できれば2回リハーサルしておくと気持ちが楽になる。内側からくる不安をぬぐうには、実力を積み重ねるしかありません。あとは当日『私は十分頑張ってきたので、結果は神様に預けます』と。それでだめだったら『神様のせい』(笑)。それくらいの心持ちの方がうまくいく。僕が実証済みです」

 ―本番で力を出し切るためにできることはありますか。
 「人間はポジティブにいた方が脳の能力が何百倍も上がります。『いける感じがする』と思うことが一番大切。そのためには寝る前に3分間、その日の良かったことや新たな発見を三つ思い出すといい。それを毎日続けると、当日も脳がよく働き、問題の答えが見つかったりします」

 ―本番に臨む受験生にアドバイスを。
 「どんなに準備をしても結局緊張する。僕がよくやるのは、呼吸に意識を戻すこと。余計なことを考えずに姿勢を正し、ゆっくりと息を5秒間で吸って10秒間で吐き出す。呼吸を整えると、体の動きにつられて心も落ち着いてくる。事前に練習しておくといいですよ」

 中テレアナウンサー・直川貴博さん 「自分が一番」暗示をかける

 ―いつもどのように緊張をほぐしますか。
 「アナウンサーになって6年目ですが、いまだに1分間のニュースを読むのも緊張します。VTRが出なかったら、かんだらどうしようとか。でも、人の何倍も準備することで『これだけしてきたから大丈夫』と緊張をはねのけるようにしています。ただ、自分が受験生だったころは十分な準備ができていたかというと、そうではなかったし、受験当日は他の受験生を見て焦った。でも『大丈夫、この中で一番学力が高いのは私』と暗示をかけて臨みました」

 ―リフレッシュ法を教えてください。
 「気を許せる友達としゃべること。友達でなくても家族や先輩、後輩など弱みを含めてさらけ出せる人が一人でもいれば、心の健康につながると思います。あと、好きな物をめっちゃ食べる。美容雑誌に出させてもらっている立場でちょっと言いづらいですが...チョコレートとか。甘い物が大好きで、先日は干しイモを2キロ買いました。それから美容室に行ったり、ランニングしたり。勉強でいっぱいいっぱいになったら一度投げ出して、好きな空間に行ったり、好きな物を食べたりするのもお勧めです」

 ―高校受験の思い出は。
 「中学1、2年の時は全然勉強せず、友達と遊んだり部活ばかりしていて、『進学できる高校がない』と気付いた3年の時に人生で一番勉強しました。振り返ってみれば、もっと早く勉強すれば良かったと思うけど、たくさん悩んで、1年間詰め込んで勉強したからこそ、今の我慢強さがあるのかなとも思います」

 ―受験生にエールを。
 「多くの人が人生一度きりの高校受験で、頑張ることができる日も残りわずか。その限られた時間の中で何をするのがベストなのかを自分で決めてほしい。自分で決めたことなら、頑張れるはずです」

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 むろや・よしひで 奈良県出身。中央大文学部卒。20歳で飛行機免許を取得。2017年、レース専用飛行機の国際大会「レッドブル・エアレース」でアジア人初の年間総合優勝を果たした。福島市を拠点に、航空スポーツ振興のため全国で活動している。

 のうがわ・たかひろ 京都府生まれ、和歌山県育ち。中央大法学部卒。2017年4月、福島中央テレビ入社。夕方ワイド情報番組「ゴジてれChu!」リポーター・お天気キャスター。日本テレビ系朝の情報番組「ZIP!」中継リポーターも務める。

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 ※福島民友新聞2月25日付教育面「Doまなぶん」掲載