二本松流おもてなし...現代版「殿さまのお膳」 極上の観光資源に

 
(写真上)二本松らしさを追求して完成した現代版「殿さまのお膳」、(写真下)大山忠作の代表作「鯉」を模したにぎりずし

 二本松市の観光振興に取り組むにほんまつDMOは2月26日、旧二本松藩ならではのおもてなしの心を現代風にアレンジした料理「現代版『殿さまのお膳』」を発表した。同市観光が脚光を浴びる春と秋に提供する方針で、今秋にも販売を開始する予定。

 殿さまのお膳は、本漆塗りの膳にマッチし、地元産や県産の食材を使ったオリジナル料理。文化勲章受章者で同市出身の日本画家大山忠作の代表作「鯉」を表したにぎりずしや同市岩代地域特産「短黒牛」のローストビーフ、郷土料理「ざくざく」など10種類の料理をお膳に詰めた。二本松万古焼・二本松焼の窯元「井上窯」が制作した酒器で飲む市内4酒蔵の地酒と一緒に提供する。

 メニューは、インバウンド(訪日外国人客)を見据えて昨年から開発に着手。料理コンテストで同市特産の日本酒にちなむ酒かすのメニューを含めたレシピを公募するとともに、県酒造組合二本松支部、二本松三業組合、二本松婦人会の協力を得て二本松らしさを味わえる料理を考案した。井上窯に依頼して新たに料理を盛る皿や小鉢も制作。蒔絵(まきえ)が施されたお膳とともに高級感を醸し出している。

 料理の発表は、同市の二本松御苑で協力団体などを招いて行われた。石川憲幸理事長は「殿様気分が味わえる二本松城跡の『洗心亭』で提供するなど、思い出の一つとなるよう事業を進めていきたい」とあいさつ。三保恵一市長らが試食した。菅野京一二本松商工会議所会頭は「鯉のにぎりずしは食べるのがもったいないほど」、太田英晴県酒造組合二本松支部長は「お膳がモデルケースとなって市内の飲食店に広がるといい」と述べた。

 同DMOは「二本松に来たら、極上のひとときを過ごせると評価してもらえるよう、殿さまのお膳を観光資源の一つに育てたい」と話している。