鹿島、八沢小の統合検討 南相馬、目標の来春に向け協議会設置へ

 
門馬市長に意見書を手渡す百田会長(右から3人目)ら

 南相馬市教委は、同市鹿島区にある鹿島、八沢両小について来年4月の統合に向けた検討に入る。門馬和夫市長が2月27日、地元区長会や両校PTA役員らでつくる「鹿島小・八沢小学校適正化検討協議会」からの意見書提出に対し、統合へ前向きに進めていく考えを伝えた。

 市教委は意見書を受け、早ければ本年度内に統合準備協議会を立ち上げ、具体的な協議に入る。再編計画を策定し、パブリックコメント(意見公募)などを経て市議会に条例改正案を提出する予定。

 市教委によると、1月10日現在の児童数は鹿島小が319人、八沢小が64人。このうち八沢小は2028年度には25人に減少する見込みという。同協議会は学校の在り方や統合の是非、より良い教育環境に関して協議し、急速な児童数の減少が見込まれる八沢小を鹿島小と統合すべきとの結論に至ったという。

 意見書では、情報通信技術(ICT)の活用や地域学習など魅力ある教育環境の整備をはじめ、統合による児童の不安解消、スクールバスの運行経路見直し、地域の意見を踏まえた跡地利活用の検討などを求めた。

 同協議会の百田尊道(たかみち)会長、塙龍太郎副会長らが市役所を訪れ、門馬市長に意見書を手渡した。門馬市長は「統合する方向で詳細を詰め、必要な手続きなどを行っていく」と話した。大和田博行教育長が同席した。