建築で復興をカタチに 日大工学部の阿部さん、卒業作品が最優秀賞

 
古里の活性化に向けたアイデアを作品にした阿部さん

 日本建築家協会(JIA)の東北学生卒業設計コンクール2023の最優秀賞に、日大工学部建築学科4年の阿部佳穂さん(22)の作品が選ばれた。阿部さんは古里の宮城県南三陸町のワイン造りや、漁業など1次産業の活性化に向けたアイデアを模型にし、まちづくりの新たな可能性を示した。「卒業後も復興に携わっていきたい」と話している。

 コンクールは東北の大学生や高専生らが対象で、今回は10作品が出品された。2月24日にオンラインの審査会が開かれ、模型の映写や作品内容の発表で阿部さんが高い評価を得た。

 阿部さんの作品は「生業(なりわい)を醸す―海と海抜460メートル」がテーマ。未利用漁港にワインの加工場や体験施設などを整備する利活用案や、ブドウ畑に農業体験や宿泊ができる施設を併設するアイデアなどをそれぞれ3Dでデザインし、デザインに沿って模型を制作した。

 昨年10月に南三陸町に足を運んで復興へ向かう古里の状況を視察し、作品のイメージを膨らませた。漁業や農業、林業といった1次産業の継承とワイン造りによる6次化などを柱に作品を制作。ワインの海中熟成など実際に同町で行われている取り組みを反映し、自然豊かな町の風景を建物の構造に取り入れるなど工夫を凝らした。

 阿部さんは大学卒業後、宮城県の設計事務所で働くことが決まっている。最優秀賞受賞で6月には全国コンクールにも出場し、作品への思いなどを発表する予定だ。阿部さんは「復興していく街並みを見て心が動いたことが建築業界を志したきっかけ。就職してからも復興に関わっていきたい」と話している。