「関流砲術」の古文書を寄贈 宗家子孫、複写を相馬市図書館に

古文書の複写版が収録された冊子。今後、相馬市図書館で閲覧が可能になる
相馬中村藩古式砲術の源流となる関流砲術の宗家に伝わった古文書の複写版が、子孫の関正信さん(茨城県土浦市)から相馬市図書館に寄贈された。古文書には相馬藩に関する記述も多数含まれており、古式砲術を継承する相馬外天会の顧問、鈴木光一さんは「解読には時間が必要だが、古文書から多くのことが分かるはずだ」と期待している。
関家は江戸・麻布の土浦藩邸に住んで、砲術の大家として指導に当たった。相馬藩主家と土浦藩主家が親族関係にあったため、江戸藩邸に詰めていた相馬藩士らも関流砲術を学んだ。関家に8年間住み込み、高弟となったとなった藩士もいたという。
古文書の複写版は184部の冊子にまとめられている。関さんが、交流のある外天会に冊子の寄贈を申し出たことから、同会が相馬市図書館で所蔵できるよう橋渡しをした。
先月中旬に、鈴木さんら外天会の会員7人が関家を訪れて冊子を受け取り、図書館へと運び入れた。今後、同館で閲覧などが可能になる予定。
鈴木さんは「外天会で古式砲術を伝承するためにも、古文書を役立てたい」と話している。