「帰ってきてね」...サケ稚魚30万匹放流 南相馬、上真野小児童

ふるさとの川にサケの稚魚を放流する児童ら
南相馬市鹿島区の上真野小児童は6日、同市の真野川で、サケの稚魚約30万匹を放流し、成長を願った。
サケの養殖に取り組む真野川鮭増殖組合の協力。ふるさとの伝統漁業を知る同校の校外学習の一環。児童は昨年から組合を度々訪れ、ふ化させた稚魚の餌やりを体験するなど、繁殖の一連の作業に触れてきた。放流には3、4年生12人が参加した。4センチほどに育てられた稚魚をバケツに入れ放流した。
4年生の只野佑羽君(10)は「自分たちが育てたサケが行っちゃって悲しい。また会えたら会いたい」と目を潤ませた。紺野広顕組合長理事は「サケは4年後、無事に川に帰ってきて、皆さんに会いに来ると思います」と児童らに語った。
真野川に遡上(そじょう)するサケは急速に減少しており、昨年の採捕数はピーク時の2%弱にとどまる。組合は真野川で捕獲したサケから採卵を続けてきたが、遡上数を増やすための初めての取り組みとして北海道からも卵を購入し稚魚を育成したという。