大野中の記憶語り継ぐ いわき、閉校式で76年の歴史に幕

 
朗読劇を披露する(右から)大和田さん、高木さん、荻さん

 いわき市で13日に行われた大野中の閉校式では、参加した卒業生や関係者が76年の歴史に幕を下ろす同校との別れを惜しんだ。

 渡辺文暁校長が学校のシンボルである校庭東側の御城(みじょう)の松を引き合いに出し、「大野中の歴史は御城の松のように根を張り、語り継がれていくことと思う」と式辞した。内田広之市長、大野地区区長会長の照沼晴一閉校事業実行委員長があいさつ。卒業生代表の高木結衣さん(14)が服部樹理市教育長に校旗を返納した。

 最後の卒業生となった3人が市民らでつくる「劇団ごきげんよう」とともに御城の松と閉校をテーマとした朗読劇を披露した。式の終了後、卒業生の大和田美海(みう)さん(15)は「充実した3年間だった。生徒は少なくても3人だからできることも多かった」と振り返った。荻琉心さん(15)も「閉校は悲しいが、大野地区がこれからも元気でいてほしい」と願いを込めた。

 同校は本年度を含めて4629人の卒業生を送り出してきた。照沼実行委員長は「地域の象徴である学校がなくなる影響は大きい。地域活性化の方法を考えていく必要がある」と話した。