地域に愛され1世紀半、福島の中野、水原小 校旗返還...閉校式

■中野小、卒業生も出席 記念碑除幕
児童数減少のため閉校する福島市飯坂町の中野小の閉校記念式典は26日、同校で行われた。約140人が出席し、149年の伝統を振り返りながら、地域とともに歩んできた学校との別れを惜しんだ。
同校は1873(明治6)年に佐場野小として創立、3396人の卒業生を送り出した。本年度の児童数は13人。4月からは飯坂小に統合される。
式典では、紺野篤男閉校記念事業実行委員長が「閉校後も地域コミュニティーの活性化に活用していきたい」とあいさつ。木幡浩市長らの来賓祝辞に続き、佐藤友子校長が「たくさんの愛に包まれながら成長できた。中野地区の教育力が飯坂地区の教育力に広がることを期待します」と述べた。
全校児童が昔の映像に合わせた呼びかけ方式で同校の歴史を振り返り、佐藤校長、児童代表の白土孝汰君(6年)による校旗返納に続き、出席者全員で最後の校歌を斉唱した。
校庭東側に校歌などを記した記念碑が設置され、全校児童らが除幕した。アフターイベントには舞台「刀剣乱舞」にも出演した俳優早乙女じょうじさん(1994年度卒)や、漫画家斎藤ジュリアさん(97年度卒)ら卒業生も駆け付けた。パティシエの亀岡慎也さん(98年度卒)はプチケーキやクッキーを提供した。記念誌作成のために集めた写真や文集も展示され、大勢の人が訪れた。
■水原小、在校生「大切なもの」合唱
本年度で閉校し、150年近い歴史に幕を閉じる福島市松川町の水原小の閉校式は25日、同校で行われた。児童らが慣れ親しんだ学びやに別れを告げた。
式典では、水原小閉校記念事業実行委員会の村上正広委員長が「児童や卒業生には、太平洋へと流れる水原川のように、前を向いて進んで大海原で活躍してほしい」と式辞。木幡浩市長、真田広志市議会議長、佐藤秀美市教育長があいさつした。菅野靖校長が「自然を愛し、人を敬う水原の子どもたちの育ちは、水原の地で育まれてきた伝統だ」と述べた。
続いて在校生12人が壇上で同校の歴史や運動会など学校行事の思い出を話し、合唱曲「大切なもの」を歌った。代表児童と菅野校長が佐藤教育長に校旗を返還した。同校は1873(明治6)年に開校。約4千人の卒業生を輩出した。児童の減少に伴い、松川小に統合される。