タイヤ製造に水素エネルギー活用 住友ゴム、温室効果ガス排出ゼロ

 
水素エネルギーを活用して製造したタイヤを囲む(右から)内堀知事、山本社長、鈴木市長

 住友ゴム工業は19日、二酸化炭素(CO2)の排出量削減に向け、水素エネルギーを活用して白河市の白河工場で製造したタイヤ「FALKEN AZENIS FK520(ファルケン・アゼニス・エフケー520)」をお披露目した。水素エネルギーに加えて太陽光発電も活用し、日本初の温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を達成した。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の協力を受け、2021年8月から水素エネルギー実証実験計画を実施。タイヤは今年1月に生産を開始し、3月から販売している。

 同社によると、水素エネルギーはゴムの強度を上げてタイヤを形成する「加硫」の工程で使用。水素で生み出された熱や圧力を利用している。エネルギーの地産地消に向け、県産水素を活用している。CO2削減量は年間千トンを見込んでおり、30年までに白河工場の全ての加硫工程を水素エネルギーで賄う考えだ。

 18日、同工場でお披露目会が開かれ、山本悟社長や内堀雅雄知事、鈴木和夫市長らが出席。出席者が工場内にある水素を運ぶトレーラーやボイラーなどを視察した。山本社長は「水素利用への一歩を踏み出し、カーボンニュートラル達成に向けて実証を進めたい」と語った。