「いわき舞台の映画」公開へ 震災と介護テーマ、5月19日から

 
映画への思いを語る主演の吉田さん(左)と藤田さん

 東日本大震災と介護をテーマにしたいわき市が舞台の映画「こわれること いきること」の上映が5月26日始まる。県内では同19日から、いわき市のまちポレいわきで先行上映する。

 作品は震災でいわき市の家族を失った女性が古里に戻り、職場の介護施設での出会いを通じて成長する姿を描くヒューマンドラマ。認知症を患い入所する高校時代の恩師女性らとの交流などを通じて、生きる希望を見いだす様子を表現した。高齢化社会にも光を当て、人の生き方や尊厳についても問いかけているという。

 昨年5月、いわき市のJRいわき駅前や各地の海沿い、古民家などで通勤風景や実家のシーンのロケが行われた。

 監督の北沢幸雄さんと主演の吉田伶香さん、認知症を患う女性を演じる藤田朋子さんが21日、いわき市役所を訪れ、内田広之市長に完成を報告した。

 出身地の山形県で震災を経験した吉田さんは「災害はいつ起こるか分からない。映画を通じて当たり前の日常が大切だと思ってほしい」と語った。藤田さんも「震災後、現在も心のどこかで悲しみを感じている人にとって希望になってほしい」と述べた。

「こわれること いきること」の一場面

「こわれること いきること」の一場面(c)三英堂商事/アイ・エム・ティ