室屋さんに憧れ...全国から候補生 エアレースパイロット講座

 
エアレースパイロットを志し全国から集まった候補生

 福島市のEBM航空公園(ふくしまスカイパーク)で4月29日に始まった次世代のエアレースパイロットを発掘する講座「レースパイロットプログラム」。同市のエアレースパイロット室屋義秀さん(50)の指導の下、全国から集まった候補生がエアレースパイロットを目指して訓練に臨む。

 10年以上かかる訓練を効率的に実施し、5年後のデビューを目指す。厳しい内容のため「体力・知力・やる気のある人以外は申し込みを受け付けない」と告知し、多彩な経歴の男女32人が候補生となった。今年の訓練は計7回で、合格者のみが次回の訓練に参加するオーディション形式だ。

 初回の訓練は体力測定で、候補者全員が合格した。2回目の訓練は体力テストやディベートなどを実施予定。3回目以降は10~20日程度の期間で、飛行訓練や操縦士実地試験を行う。岡山市の会社員横川明昌さん(22)は「室屋さんに憧れている。訓練のため福島に移住する」と気合十分だった。

 室屋さんはゼロから育成する講座は世界でもないとし「強い信念を持って取り組まないと厳しい世界。候補生は地道に積み重ねることが大事」とした。講座の狙いは「パイロット育成の仕組み作り」と語り「これまでの経験を伝え、優秀な人材を育てて航空スポーツに貢献する」とした。

 次回の訓練では候補生を半分に絞り、「最終的に2人残れば良い方」(室屋さん)とシビアな育成方針を示唆。本県での育成について「広く福島を伝えるきっかけになればいい」とし、自身が今年創設するエアレースに「育成したパイロットが出場するようになれば」と将来を見通した。