資材再利用、空き古民家を輸出 福島の亀岡工務店、若松に拠点開設

 
会津若松市に開設した「亀岡工務店の古民家再生」

 福島市の亀岡工務店は、解体した県内外の空き古民家の資材を再利用し、日本庭園付きの古民家として海外に輸出する新事業を始める。県内の空き古民家の解消や、伝統的な古民家や技術を世界に発信し、本県のブランド力の向上につなげる。4月28日、会津若松市に拠点施設をプレオープンした。

 同店によると、県内で7500件の空き古民家があり、所有者が維持できなく、解体処分されているという。本事業では、空き家解消に加えて再生可能な資材の活用により、建物の解体除去で発生する二酸化炭素(CO2)の排出を抑える効果が期待される。

 現時点での輸出先は協力企業があるパリや台湾。古民家の安全性などを診断後、解体して建材を現地に送る。その後、現地の技術者らと協力して移築を進める。庭園設計の専門家で会津若松市観光大使の安田ひと美さんが協力する。

 施設名は「亀岡工務店の古民家再生」。施設は1階に木材のサンプルなどを置いた展示スペースや商談スペースを設置し、2階に事務所を構える。宿泊施設やカフェも併設する。営業開始は6月の予定。

 プレオープンに合わせて式典が行われ、亀岡政雄社長が事業内容を説明したほか、室井照平市長らが祝辞を述べた。