万世大路を学ぶ講座スタート 福島の保存会、旧大滝宿を散策

 
大滝集落の思い出などを語る須田さん

 福島市と山形県米沢市を結ぶため明治初期に整備された旧道「万世大路」の保存活動に取り組む「二ツ小屋隧道保存会」は3日、万世大路を散策する全3回の講座を始めた。初回講座は「大滝宿探索と野外座学会」と題し、参加者約50人が万世大路の歴史を学んだ。

 万世大路は福島・山形の両県が整備を始め、1881年に開通した。昭和初期から改良され、国道13号整備に伴って昭和40年代に廃道となった。同市飯坂町中野にある万世大路の旧宿場である「大滝集落」は旅籠や運送で栄えたが、昭和50年代に廃村となった。

 この日は大滝集落付近を散策し、鉱山の開口部などを見学。郷土史に詳しい守谷早苗氏が大滝集落の歴史を紹介した。また、大滝集落出身者でつくる「大滝会」の会長を務める須田信夫さんはじめ、大正生まれの半田サキさんらが昔の様子や暮らしぶりを語った。

 第2回講座は6月4日、第3回講座は7月16日を予定している。参加費が必要。問い合わせは同保存会の高橋一夫事務局長(電話090・1931・0001)へ。