20年「幻の甲子園」現実に 聖光学院も出場 11、12月に交流戦

あの夏を3年越しに取り戻したい―。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年に夏の全国高校野球選手権大会が中止されたことを受け、夢を絶たれた元高校球児が集う野球大会が11月29日から、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)などで開かれる。
20年夏に本県独自開催の大会を制した聖光学院を含む全国46チームが出場する。実行委が18日、東京都内で記者発表会を開き、概要を説明した。
大会名は「あの夏を取り戻せ 全国元高校球児野球大会2020―2023」。20年に各都道府県大会の代わりに開かれた独自大会の優勝校や上位校が一堂に会する。聖光学院は県独自の「福島2020夏季大会」で頂点に立った後、東北6県の独自大会優勝校による東北大会で優勝している。
11月29日は出場全チームが甲子園に集結し、入場行進やセレモニー、記念試合などが行われる。11月30日と12月1日は兵庫県内4球場に分かれ、各チーム1試合ずつ交流戦に臨む。
発起人で実行委代表の大武優斗さん(20)=武蔵野大3年=も20年の甲子園出場を目指していた元高校球児の一人だ。「当時の悔しさを晴らしたい」と交流サイト(SNS)などで賛同者を募り、大会の実現を目指してきた。大武さんは記者発表会で「悔しさに終止符を打てる日にしたい」と語った。応援に駆けつけた元ヤクルト監督で野球解説者の古田敦也さんは「若者のやる気と熱量を感じた。やり遂げてほしい」とエールを送った。
実行委は6月7日から、インターネット上で資金調達を図るクラウドファンディングを始める。12月1日まで。目標額は7千万円。資金は選手の交通費や会場使用料などに充てられる。