ニュースポーツ自作で 若松の渡部さん 木材加工お手の物

 
ボッチャのボールを投げる渡部さん(左から2人目)

 会津若松市の湊町双潟白寿会は、会長の渡部学さん(75)が自作した道具を使ってニュースポーツを楽しんでいる。「勝ち負けよりも、集まって交流するのが楽しい」。渡部さんは笑顔を見せる。

 市老人クラブ連合会が4日、同市の鶴ケ城体育館で開いたニュースポーツ大会には、ボッチャをプレーする渡部さんの姿があった。白寿会の仲間と談笑していたが、元野球少年の血が騒ぐのか、ボールを持つと真剣な表情に変わった。

 白寿会は月2回集まり、ボッチャ、輪投げ、スカットボールの交流大会を開いている。渡部さんが特に夢中になっているのがスカットボール。ゲートボールのようにスティックでボールを打ち、12個の穴に入った合計得点を競うニュースポーツだ。

 渡部さんが初めてプレーしたのは3年ほど前。喜多方市から道具を借りてきた。最初は「たくさん穴があるから、どれかには入るだろう」と思っていた。しかし入りそうで入らない。それが渡部さんのチャレンジ精神をかき立てた。

 2回ほど道具を借りてプレーした後「喜多方まで片道1時間半をかけて、いちいち借りに行くのは面倒だ」と感じ、道具を自作した。70歳まで大工をしていた渡部さんにとって、木材加工はお手の物。借りてきた道具で寸法を測り、スティックや穴の開いたスカット台を完成させた。

 手作りの道具で3年プレーを続けても、穴に入りそうで入らないのは変わらない。「簡単そうに見えて、奥が深いんだよね」。5球の持ち玉全てを穴に入れるパーフェクトの達成を目指し、渡部さんはこれからもボールを打ち続ける。
(高崎慎也)