被災文化財灯ろう修復 梁川・天神社境内に再設置

灯ろうの再建を喜ぶ関根宮司
昨年3月の本県沖地震で被災した伊達市指定文化財「蠣崎波響(かきざきはきょう)献納石灯ろう」は修復作業を終えた。20日、同市梁川町の天神社境内に再建され、地域のシンボルが復活した。
1822年に同神社に奉納された灯ろうは、地震で倒壊したほか、雨水などにより経年劣化が進んでもろくなっていた。国立文化財機構文化財防災センターなどから修復方法の指導を受けて、6月末から県文化財課、同市の職員らが石材を強化する薬剤を塗り込む保存修理作業を進めてきた。
再設置作業は作業員4人と同神社の関根誠宮司(72)がクレーンなどの機材を使い、境内の「御縁結びの松」の隣に再設置した。関根宮司は「灯ろうは松前藩と梁川のつながりを示す象徴。25日に開催する例大祭で再建を報告できるのでうれしい」と笑顔を浮かべた。