「移動する自販機」開発 二本松・エム牧場、自社生産牛肉販売

 
「移動する自動販売機」を開発したエム牧場の吉田社長(左)と三保市長

 県内外で黒毛和牛などの飼育や加工、販売を手がけるエム牧場(二本松市)は、軽トラックと冷凍自動販売機を一体化した「移動する自動販売機」を開発した。23日夕まで、二本松市の市営あだたら高原野営場に出店し、自社生産した牛肉の無人販売を行う。

 「移動する自販機」は家庭用の100ボルトのコンセントが借りられる場所ならどこにでも出店でき、キャンプ場やお花見スポットなど時期によって利用者が増減する場所への出店が簡単にできるメリットがある。

 同社は防犯カメラも装備し、無人販売による人件費削減とオフシーズンの場所に自販機を設置する無駄が発生せずに設置費用の削減や賞味期限切れ在庫の発生防止などが見込まれることから、低価格で牛肉を提供できるとしている。開発には二本松市の新事業チャレンジ補助金を活用した。

 自販機では「国産牛サーロイン2枚500グラム」(3000円)や「黒毛和牛お徳用切り落としセット400グラム」(1500円)などを販売。今後、出店場所によって商品の入れ替えも検討する。

 二本松市役所で21日、「移動する自販機」のお披露目会が開かれた。吉田和(やまと)社長は「牧場から自販機に中間コストをかけずに、高品質な牛肉を安く提供していきたい」などと話した。三保恵一市長は「畜産が盛んな二本松市にとって大変心強い」と期待を寄せた。

 同社は二本松市を中心に東北地方に13カ所の牧場を経営、黒毛和牛など約2400頭を飼育。直営の精肉加工所「熟成舎」で牛肉の加工・販売を行う。良質な赤身肉を届けたいと、生体熟成和牛をオンラインで販売している。問い合わせはエム牧場熟成舎(電話0243・24・8580)へ。