万世大路栗子隧道...往時の坑口よみがえる 福島の有志が土砂除去

 
堆積土砂を除去した万世大路栗子隧道の福島側坑口前。除去によって坑口のアーチの全容が姿を見せた

 福島市民有志でつくる「福島市万世大路を守る会」は、同市飯坂町中野にある万世大路栗子隧道の福島側坑口前の堆積土砂の除去を完了させた。坑口両側の沢から流れた土砂が長年堆積していたが、除去で坑口のアーチが半世紀ぶりによみがえった。

  守る会は2014年の設立後、万世大路の補修復旧作業や草刈りなどをボランティアで行ってきた。これまで道路の崩落で通行不能だった3カ所を仮復旧させた。今回の除去作業は21年秋から始め、7月26日に完了した。除去した堆積土砂は約200立方メートルに及んだ。

 守る会の岡部達也代表は「今回の除去完了は会員や協力者のおかげ。万世大路は廃道として全国に知られるが、昭和10年の坑口再現により当時に思いをはせてほしい。先人の偉業を後世に残すため今後も活動したい」と語った。

 万世大路は同市と山形県米沢市を結ぶため明治初期に整備された。昭和初期から改良され、国道13号の整備に伴い昭和40年代初頭に廃道となっている。

 万世大路栗子隧道の福島側坑口は国道13号東栗子トンネルから約9キロで、クマやイノシシなどが生息しており、訪問には万全な装備が必要。