こども記者、内堀知事に提言 処理水「何してるか伝わらない」

 
こども記者の活動を内堀知事に報告した西形さん(右)

 福島民友新聞の子ども向け新聞「みんゆうジュニア情報局」のこども記者西形花璃(はなり)さん(12)=福島大付中1年=は4日、県庁で内堀雅雄知事と懇談した。西形さんは記者の活動を報告したほか「県内の子どもが交流したり、学習したことを発表したりできるサイトがあったらいいと思う」と内堀知事に提案した。

 西形さんはこども記者として県内移住者らを取材。「取材を通して、福島県は魅力が多いがバラバラでまとまっていないと感じた。次の福島を担う子ども世代がつながると、大人になった時に県全体がまとまり、良い県になると思う」と提案の理由を説明した。

 内堀知事は「若者が交流できる場は絶対必要」とした上で、対面での交流の必要性も指摘し「実際に子どもたちが会って話す機会と、サイトの両方をつくっていきたい」と述べた。

 西形さんは東京電力福島第1原発で発生する処理水の問題についても「子どもにとっては『大人がばたばたしている』という程度で、よく分からない。何をしているのか伝わってきません」と率直な思いを伝えた。

 これに対し、内堀知事は「どう解決したらいいのか葛藤し、悩み、苦しんでいるのが今の状態」と話し、西形さんに処理水について正確に学ぶことを提案。「処理水の話をするのは県民として意義がある。『理解できるか』『正解があるか』という話ではなく、その時間を持つということに意味がある」と学びを深めることに期待を寄せた。