「落語」身近に感じて 飯坂・旧堀切邸、中家さんら6日・寄席

 
巧みな話術で観客を引き込む中家さん

 大声で笑って元気になって―。会社員と社会人落語家の"二刀流"で活動する伊達市の中家(あたりや)すゞめさん(42)が代表を務める「ふくしまで落語をやろう会」や東北学院大落語研究会メンバーらは6日午後2時から、福島市飯坂町の旧堀切邸で「どうする学院 飯坂夏の陣」と題した寄席を開く。近年は新型コロナウイルス禍で中止していたため4年ぶりの開催。

 中家さんは普段、制作会社の社員として勤務し、テレビカメラを手に伊達市内のイベント取材に奔走。インタビューや編集も手がけている。移動時間や業務終了後の車内で落語や講談の練習に励み、長いもので30分の演目を覚える。

 落語に出合ったのは約20年前。落語を現代風にアレンジしたドラマを見たことがきっかけで落語のおもしろさに興味を持ち、当時住んでいた関東の演芸場に足しげく通うようになった。

 福島市に帰郷後、地元に演芸場がなかったことから「自分で落語をやってみよう」と思い立った。地元の芸人会に所属後、2015年に「ふくしまで落語をやろう会」を発足し、落語が縁でつながった仲間と県北地区を中心に寄席を企画、開催している。先月には中家さんをはじめ東北を拠点にする社会人落語家が集結し、伊達市のふるさと会館で寄席を開いた。

 中家さんは「演者は表情や声色で何人もの人物を演じ分け、聞き手は想像力を膨らませ、会場一体となって笑いを共有できる」と落語の魅力を語る。"普通の会社員"が落語を披露することで「地域の人が気軽に集まりやすく、特に若い世代に落語を身近に感じてもらえれば」と地元での活動に力を注ぐ。

 6日は入場無料。問い合わせは事務局(電話080・1836・3211)へ。