25年の歩み振り返る 福島医大看護学部、次世代へ向けパネル討論

 
大学での学びの成果を語る湯田さん

 福島医大看護学部の開設25周年を記念したパネル討論が5日、同大で行われ、25年の歩みを振り返るとともに、次世代に向けた同学部の在り方を探った。

 同学部は1998年4月に開設された。当時は国公立医科大で初の独立した看護学部だった。パネリストは初代学部長の中山洋子福島医大名誉教授をはじめ、福島医大の高橋香子大学院看護学研究科長と佐藤冨美子看護学部特命教授、同学部1期生の湯田満希さん(東京・虎の門病院師長)と同学部7期生の菅野秀さん(伊達市・訪問看護ステーションドレミファ管理者)が務めた。

 中山氏は創設当時を振り返り「医学は自然科学であり看護学は人間科学。きちんとしたアイデンティティーを持って他領域と取り組むことが大切」と指摘。湯田さんは在学中に行ったグループワークから「自立性や発信する力などを養うことができた」とし、菅野さんも「自分の看護について確認し、在宅緩和ケアを志すようになった」と述べ、同学部での学びが今に生かされていると話した。

 主催者を代表し、高瀬佳苗大学院看護学研究科教授があいさつ。看護学部での研究促進に向け、学内学会の設立の可能性に触れ「歴史をつくってきた先人や現在の学生など、さまざまな年代の意見を聞いていきたい」と述べた。

 同学部の卒業生は1871人に上る。