送迎ドライバーから指導員に 湯本自校、「生徒に寄り添いたい」

 
「生徒に寄り添える指導員になりたい」と意気込む生田目さん

 湯本自動車学校(いわき市)で送迎車のドライバーを務めていた生田目(なまため)明美さん(56)は教習指導員の資格に合格し、生徒指導を始めた。生徒に慕われる存在だったことから試験への挑戦を勧められ、見事合格した生田目さんは「うまくいかない生徒の気持ちが分かり、寄り添える指導員になりたい」と抱負を語る。

 生田目さんは約3年前から送迎車のドライバーとして働いている。送迎中に生徒の悩み相談に乗るなどしていた献身的な姿が目に留まり、同校の吉野弘美社長から「責任感と思いやりがあり、先生に向いている」と指導員の道を勧められた。

 卒業生からは「明美さんが相談を受け止めてくれた」「明美さんがいたから続けることができた」など感謝の声も寄せられていたという。

 生田目さんは「誘いがうれしく、挑戦してみようと思った」と一念発起。約3カ月の準備期間で勉強に取り組み、合格率4割ほどの教習指導員の試験に1度目の受験で合格した。準備期間では二輪車の免許も取得した。

 生田目さんは「泣きながら勉強してきたので、試験勉強を頑張って良かった」と話し、立派なドライバーを育てようと決意を新たにしている。