空き家に新たな命を 白河・協力隊の伊藤さん、不動産会社起業

 
不動産事業を起こし「空き家を利活用したい」と意気込む伊藤さん

 白河市の地域おこし協力隊の伊藤一也さん(40)は、地域の空き家問題を解決しようと「白河をワクワクさせる合同会社」を設立した。空き家に新たな命を吹き込み、賃貸物件や民泊施設などに再生させる。伊藤さんは「地元の人と手を組んで、空き家を利活用していきたい」と意気込む。

 地元と協力、来年2月のオープン目指す

 伊藤さんは千葉県出身。市は新たなビジネスを生み出す地域おこし協力隊を支援している。6月1日付で着任した。着任前は、都内の大手通信会社で営業職を20年近く勤めていた。営業職にやりがいを感じていたが「もっと主体的に、自分らしく仕事に取り組みたい」と感じるようになった。

 昨年冬、移住定住のイベントで白河市のブースに立ち寄り、起業型の地域おこし協力隊に興味を持った。周囲で会社を退職し、事業を展開する人が多い環境もあり、「起業に挑戦したいと思った」。免許合宿の場所が同市だった縁もあり、移住を決めた。

 伊藤さんは市内の空き家が増加していることを課題に挙げ、築古戸建てなど空き家の再生に特化した不動産事業に取り組む。現在、市内2軒の物件を改修し、そのうちの1軒をゲストハウスとして活用する。来年2月ごろのオープンへ目指している。

 同市に住み始めて日はまだ浅いが「自然や文化、歴史など白河の魅力が徐々に分かった。外から来た人間として、地域の魅力を発信して、関係人口の創出につなげたい」と力を込める。白河に飛び込んだよそ者の挑戦がこれから始まる。