露天風呂を自作、交流の輪 元建設業の高橋さん(平田)

 
自宅の庭に露天風呂を自作し、交流の場として活用している高橋さん

 「後期高齢者になっても健康に、楽しく触れ合える場をつくりたい」。平田村の高橋元之さん(79)は自宅の庭に露天風呂を自作し、交流の場として開放している。5月には長年の夢だったサウナも完成、地域の高齢者らが集まって親睦を深めている。

 自宅の庭、サウナも

 建設会社で働いていた若い頃から、人が集まれる環境をつくろうと考えてきた。退職後、健康づくりと交流を両立できる場の構想を練るうちに露天風呂の設置を思い付き、2020年に完成させた。

 建設会社で培ったノウハウをフル活用した。バックホーで庭を掘って風呂の本体を整備し、図面を書いて風呂に岩を配置。裏山から切り出したスギ材を使い、風呂に隣接する交流スペースも建設した。

 夏場は風呂に引く井戸水をビニールハウスで温めることで、40度を超える水温を実現。高橋さんは「小学生の頃、バケツの水が太陽光で熱くなっていたのをヒントにした」と笑顔を見せる。いつでも風呂を楽しめるようにと、夏場以外はまきをボイラーにくべて井戸水を温めている。

 歌謡ショーに80人

 「遊び心にあふれた場にしたい」との思いと自身の名前をかけて、露天風呂は「元遊(もとゆ)」と名付けた。日常的に友人や高齢者らが入りに来るほか、イベントを開くこともあり、歌手を呼んで歌謡ショーを企画した際には約80人が訪れた。


 今後の夢は、露天風呂をさらに充実させることだ。「これからの人生を楽しむために、もっと規模を大きくしたい。より多くの人が生きがいを感じられるような空間にしたい」と高橋さんは意気込みを語った。(秋山敬祐)