広野復興「何があったか伝える」 ふたば未来司書松本さん決意

 
式典で古里復興への思いを語る松本さん

 広野町が9月30日に行った「広野町復興創生の日」制定記念式典で、町出身で広野中の学校司書の松本彩華(さやか)さん(24)が町民を代表して古里復興への思いを語った。

 松本さんは東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を受け、家族でいわき市に避難。町内に2015年に開校したふたば未来学園高の1期生として入学した後、山形県の米沢女子短大を卒業し、今春から広野中に勤務している。

 生徒と接する中、震災の風化を感じることもある。松本さんは「生徒には震災の時に町で何があったのか、復興への軌跡も含めて知ってほしい。経験を伝えることが私の使命だ」と話す。

 震災前は温かい交流が活発だった広野。松本さんは、復興は建物を建てることだけではないと考える。「町民の気持ちが元に戻ることが大事。将来を担う子どもたちに以前の様子を伝えていきたい」と意気込む。