「なみえ調剤薬局」開局 原発事故後初...薬に困らない環境を

 
「薬に困らない環境をつくりたい」と話す菅原さん

 浪江町の「なみえ調剤薬局」が2日、町営の浪江診療所近くに開局した。町内で調剤薬局が営業するのは東京電力福島第1原発事故後初めて。原発事故の被災地では薬局や薬剤師が不足しており、医療環境の充実や住民の利便性向上が期待される。

 薬局を開設、運営するのは、大手調剤薬局グループのI&H(兵庫県芦屋市)の子会社で、福島、宮城両県に調剤薬局を構えるいずみ調剤(福島市)。建物は木造平屋で、延べ床面積約165平方メートル。薬剤師1~2人が常駐し、調剤や市販の医薬品、介護用品などを取り扱う。営業は月~金曜日の午前9時~午後6時。

 薬局開設の背景には、I&Hが阪神大震災で被災した経験から「東日本大震災の被災地の復興に貢献したい」との思いがあった。

 I&H東北グループ長の菅原憲太郎いずみ調剤社長(41)は地元の薬剤師を雇用する考えを示し「来局者のニーズに合わせていきたい。周辺自治体を含め、地域住民が薬に困らない環境をつくりたい」と話した。

 同薬局は5日まで、開局を記念し「健康サポートフェア」を開いている。参加無料。健康状態を気軽に確かめることができる。