ピラミッド謎解明の手掛かり クフ王の船復元へ吉村作治さんCF

東日本国際大総長でエジプト考古学者の吉村作治さん(80)は20日、いわき市で記者会見し、所長を務める太陽の船復原研究所が始めたクラウドファンディング(CF)について「(第2の太陽の船を)復元すれば、ピラミッドの謎や当時の宗教観を解明する手かがりになる」と述べた。
吉村さんは古代エジプト・クフ王の副葬品とされる「第2の太陽の船」復元に向けて活動している。太陽の船は、約4600年前に造られた世界最古の大型木造構造船。第2の太陽の船はクフ王のピラミッド付近に埋められており、1987年に吉村さん率いる日本の調査隊が発見した。
2021年までに計約1700点の部材掘り出しに成功し、復元案を作成した。発掘された木製の部材は予想以上に傷んでおり、復元するには部材の補強や大がかりな骨組みを作る必要がある。復元にかかる費用を広く募るために、CFを企画した。復元後は、エジプト・カイロ近郊にまもなく開館する大エジプト博物館で公開する予定。
目標金額は1500万円。12月15日午後11時まで、専用サイト「READYFOR(レディーフォー)」で受け付けている。返礼として太陽の船復元現場の解説付きダイジェスト動画や吉村さんの出張講座など金額に応じて15のコースを用意した。詳しくは専用サイトへ。
来月25日「U―18作治塾」
吉村作治さんが代表理事を務める日本エジプト考古学研究所は、次世代育成を図ろうと、18歳以下の青少年を対象に、参加無料のエジプト考古学者育成プロジェクト「U―18エジプト作治塾」を開講する。初回は11月25日午後2時から開く予定。
近年、ピラミッドやエジプトでの研究に興味を持つ若者が減少傾向にある。古代エジプトに興味を持つきっかけづくりとするのが主眼。2カ月に1度程度開講し、講座ごとに「ピラミッド」「ミイラ」などのテーマを決め、吉村さんら一流の考古学者が塾生と対話形式で講義を進める。発掘作業体験のフィールドワークや、古代エジプト関連の展覧会見学なども計画している。
オンラインでも受講可能。募集はメールで受け付ける。オンラインでの面談を経て、塾生のIDを発行する。申し込み、問い合わせは同研究所(メールegyptshipu18@gmail.com)へ。