「感謝しかない2日間」 浪江で標葉祭り、箭内道彦さんら出演

 
浪江町津島地区に活気を取り戻した標葉祭り

 浪江青年会議所(JC)は21、22の両日、浪江町津島地区の旧津島中で「標葉(しねは)祭り」を開いた。2日間で約1500人が来場し、津島に活気が戻った。津島に千人を超える人々がイベントで集まったのは東日本大震災後初めてとなった。

 津島地区は東京電力福島第1原発事故の影響で全域が帰還困難区域となったが、今年3月に特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示が解除された。

 標葉祭りは標葉地域(浪江、双葉、大熊、葛尾の4町村)の魅力をPRする秋の恒例イベント。21日は旧津島小に12年間"眠っていた"ピアノの復活演奏、22日は伝統芸能「南津島の田植踊」が津島地区で復活披露され、震災前の津島の記憶と伝統をつないだ。

 このほかクリエイティブディレクター箭内道彦さんとミュージシャン渡辺俊美さんによるステージ、地元の伝統芸能・音楽団体による発表などが行われ、各地域の元気を発信した。また会場には30超の飲食・物販ブースなどが設けられた。

 標葉祭り実行委員長で津島出身の及川里美さん(32)は「感謝しかない2日間だった。祭りをきっかけに津島に関わる人が増えればうれしい」と話した。