「復興と自然環境考えて」 東大・洲崎さん、模型で小高の未来

 
模型を前に「小高の環境変化について考えるきっかけになれば」と話す洲崎さん

 東京大大学院修士課程の洲崎玉代さん(23)は、南相馬市小高区の新たな街の姿を提案する模型を製作した。小高区のカフェ「アオスバシ」で展示しており、「復興事業は急ピッチで進んだ。模型を通じて、震災の被害だけではない環境変化について考えるきっかけになれば」と話す。

 洲崎さんは、専攻する都市工学の研究として4年にわたり小高区に通い続けた。

 住民から話を聞く中で復興工事を考え直すようになり、震災前の自然環境や住民の暮らしを尊重した街の重要性を感じたという。

 模型では、高さ7.2メートルの堤防が三重に整備された海岸について、陸側の農地から小高川を横断して海へと続くスロープを建設し、海への眺望や自由な往来を取り戻すことを提案したり、広葉樹を植樹する重要性を訴えたりしている。

 洲崎さんは「堤防の建設で海と人のつながりが希薄になり、陸から海へと続く連続的な生態系も失われていると感じた」と提案した理由を語る。

 模型を見た住民らは「海が近いにもかかわらず、海とほど遠い街になっている」「(昔は)遠くまで砂浜だった。町内会で海水浴をしていた」と自由な意見を模型に書き込んでいる。洲崎さんは「想像以上の反響。これからも皆さんと小高の環境を考えていきたい」と話す。