NHK吾妻謙アナ「ただいま」 3度目の福島勤務

 
「福島は自分にとってかけがえのない場所です」と話す吾妻アナ

 県内ではかつてNHK「はまなかあいづTODAY」のキャスターを務め、近年では全国放送のラジオ「らじるラボ」「ごごカフェ」などでおなじみの吾妻謙アナウンサーが、4月からNHK福島放送局に"帰って"来た。5年ぶり3度目の福島勤務となる吾妻アナに、本県への思いなどを聞いた。(佐藤香)

 ―今回は3回目の福島赴任ですね。
 「1回目が19年前(2005年)。県内に親戚がいるので子どもの頃から福島県にはよく来ていたけれど、住むのは初めてでした。2回目は15年から19年まで。その後、東京のラジオセンターに勤務し、今年4月から念願かなって3度目の福島です」

 ―東日本大震災の時も福島に駆けつけてくれました。
 「震災当時は福島を離れていましたが、応援のため福島に入りました。皆さん大変な思いをされているのに『こんな時に来てくれてありがとう』とたくさんの方が喜んでくれました。この言葉で、福島が自分にとってかけがえのない場所になりました」

 ―5年ぶりの福島はいかがですか。
 「自分の気持ちとしては『ただいま』だったけれど、どんなふうに受け入れられるのか不安もありました。けれど、今回の着任時に福島駅からNHKに着くまでの間に早速『出張ですか?』と声をかけられ、『4月から福島放送局に転勤です』と答えたら『お帰りなさい』と言ってもらえた。『ただいま』『お帰り』と言い合える関係ができていることの心地良さを感じています」

 ―現在の担当は。
 「シニア・アナウンサーという、何でもやるポジションです。夕方の『はまなかあいづTODAY』にリポーターとして登場する機会が多くなると思います。以前『はまなか~』のキャスターをしていたときは、夕方までには局に戻らなければならなかったけれど、今はそういう制約がない分、あちこちへ取材に行けそうです。あとは、若い職員たちに福島の魅力を教えたり、業務のサポートをしたりという立場になりました」

 ―福島に来て、震災からの復興はどのように伝えたいと考えますか。
 「同じ福島県民でも、震災当時の年齢や住んでいた地域などによって、震災に対する感覚はそれぞれ違うと思います。その中でどう伝えるのかを考える時期になってきていると感じています。何を全国に発信し、何を県民と共有するのかを改めて考え、取材をしたいです」

 ―前回の福島在任中はツーリングを楽しんでいると聞きましたが、今回は?
 「しばらく乗っていなかったオートバイを東京から持ってきました。一番見たいのは沿岸部の様子。前回は放射能の影響でまだバイクでは通行できない道が多かったから。福島県はツーリングライダーにとって本当に気持ちの良い場所なんです。信号が少なく渋滞も少ない。大自然が目の前に広がり、海も山も温泉もある。本当に楽しみです」

 ―吾妻アナから見た福島の魅力は?
 「人、場所、食べ物、全てにおいて良い所。なのに取材をしていると、同じ県内でもそんな魅力的な場所に行ったことがない人が多いと感じる。ですから、県民の皆さんを行きたいと思わせる放送をしたいです」

 ―特にお薦めの場所は?
 「今年のシーズンは終わってしまったけれど、桜のスポットの充実ぶりはすごい。道を走っているだけで花見ができるなんて最高です。東京にも桜の名所はあるけれど、福島の桜は一本で咲いていても感動を与えてくれる。福島に来て、凜(りん)と立つ一本桜の魅力に気付きました」

 ―読者にメッセージをお願いします。
 「テレビ番組は『NHKプラス』で、『ふくどん!』などのラジオ番組は、アプリ『らじるらじる』で放送後1週間配信しています。テレビもラジオも好きなときに楽しめる時代になった今、それでも見たいと思ってもらえるコンテンツを作らなければなりません。だから、『こんなものが見たい!』という意見もどんどん寄せてください」

 あづま・けん 1993(平成5)年NHK入局。大分、高松、東京アナウンス室、福島、横浜、東京ラジオセンターなどに勤務。今年4月から福島放送局所属。